2019年度健全育成第3分科会「人権教育」報告書

会員の皆さま
第3分科会「人権教育」のページをご覧いただきありがとうございます。

 「子どもたちの人権を守るために、私たち大人ができること」として、第3分科会では、1人でも多くの方に現状を正しく理解していただき、人権教育について考えるきっかけ作りのお手伝いをしたいという思いで活動して参りました。本来でしたら、予定していました保土ケ谷高校さんとの勉強会や、全体会で情報をお伝えしご一緒に考えたかったのですが、このような形での報告となり大変残念です。
 さて、掲載の資料はオレンジ色を基調にしていますが、このオレンジ色は人権教育に関わる大変意味のある色の1つだということをご存じでしょうか。
では、オレンジリボンをご存じでしょうか。オレンジリボンとは児童虐待防止運動のシンボルとして、子ども虐待に関するシンボルとして使われています。2004年に栃木県小山市で起こりました3歳と4歳になる2人の父子家庭の兄弟が、父親の同居人から度重なる暴行を受けた後に殺害された事件をきっかけに、2005年、栃木県小山市の「カンガルーOYAMA」という団体が、二度とこのような事件が起こらないようにという願いを込め、子供虐待防止を目指しオレンジリボン運動を開始したそうです。
また、厚生労働省は2007年11月から、毎年11月を児童虐待防止推進月間とし、各都市・各地域にてオレンジリボンの啓蒙活動やイベントを推進しています。ちなみに、オレンジリボンのオレンジは、虐待を受け里親に養育が託されたことのある子供らにより決められ、「開かれた未来」を象徴する色だそうです。
資料内の6つのテーマと併せて、オレンジ色に込められた願いを頭の片隅に留めていただき、今後のPTA活動にお役立ていただければと思います。

         第3分科会一同

課題について情報提供 テーマ①「いじめ」

テーマ担当分科会員より

 人権という言葉は聞いたことが誰しもあるかと思いますが、改めて自分なりに調べたり考えたりしても、なかなか答えも、ましてや正解も出ないテーマかもしれませんが、前回の貧困、今回のいじめ共に先ずは今どうなのかを知って、考える事が大切なのかと思います。
これからも、この分科会が継続されて、考えるきっかけを作ってもらいたいと思います。とても楽しく参加させてもらいました!ありがとうございました。

 私が分科会に参加したのは、今から3年前でした。自己肯定感のグループに2年続けて参加をして勉強させてもらいましたが、昨年度より無くなってしまったので関係性のあるこちらのグループに参加しました。
いくつかあるテーマの中で「いじめ」を担当して、東京都の人権プラザに出向いて講演会を聞いたり、いじめに関するテレビ番組を見たり、中川翔子さんの本を読んだり、コンビを組んだ方からいじめを題材とした漫画を教えてもらい読んでみたりと、いじめの酷さに気持ちがブルーになる事も1度や2度ではありませんでした。
考察を深めていく中で自分なりにわかってきたのは、我々親(大人)が変わらなくてはいけないという事でした。一言で言えば「自分や他人など人を好きになる努力を続ける」という事です。
人は誰しも長所短所があると思います。短所を見るのではなく長所を見るように努力し続ければ、必ず人を好きになる事ができるはずです。
私をこのような考えにさせてもらったこの分科会活動に感謝を申し上げると共に、これからもこの活動が継続される事を願っています。継続は力なり。
ありがとうございました。

課題について情報提供 テーマ②「体罰」 

テーマ担当分科会員より

 人権を守るとは何だろう、誰かの悲しみに気づかずやっていたことを改善するには何をしたらいいだろう、と毎回の活動の中で考えさせられました。悲しみの呪縛を連鎖しないように、私たちは変わらなければいけない、学ばなければいけない。自分たちの経験や社会で起きている事件等に照らし合わせ、自分たちを省みて「人権を守るために声を上げていこう」と心に決めました。

 月に一回ペースの分科会活動でしたが、他校の方々と過ごす貴重な時間となりました。災害等の影響でできる範囲での活動となりましたが、私たちのメッセージが会員の皆様に少しでも届けられれば幸いです。

課題について情報提供 テーマ③「虐待」

テーマ担当分科会員より

第三分科会人権教育 虐待のテーマに携われた事。
 右も左も分からずに立候補をさせて貰った理由は、以前から1人で悶々と虐待について悩んでいました。どうしたらなくなるのかなぁ、何処かの団体に所属して活動を試みようか?とか、児童相談所の何かに携われば良いのか、けど、結局のところ法律があって身動き取れないのでは?など色々と考えていました。
 私自信、虐待を受け、虐待を虐待と思わず当たり前の毎日なのだと思っていました、かなり過酷な幼少期だったと思います。養父母に育てられ、思春期に子供を産み、叩かれて育った事は良い事だと思っていましたので、上の子にも同じように育てていました。

 今振り返ると、何が辛いかって、自分がしてきてしまった事、やり直しが効かない過去です。後悔しきれぬ日々です、その事で少しでも償いの形を探していました、そして第三分科会に出会えました。
 この活動に触れていくうちに、絶対にしてはならない事を訴えていく事のほかに違う視点から、優しさや笑顔を伝えて行くって事を私自身学べました。凄く大きな経験でした!この活動は大変大事な事だと思いました、いきなりの回想ですみません、1人でも多くの子供や親の心が優しさに触れられる事を願っている1人です。

課題について情報提供 テーマ④「性犯罪」

テーマ担当分科会員より

 新型コロナウイルス感染予防に関する緊急事態宣言が出て暫く経ちます。集まることも難しくなって来て、この活動をどう締めるのか、どう皆さまにお伝えすることができるのか、悩みました。
「性犯罪」の定義や、実際におこった痛ましい事件などを調べていく中で、私たちが感じたことを記すことで、「締め」とさせていただきます。

 この活動を始めてみて、性犯罪はあまりにも多種多様の事例があり、何処にフォーカスを当てて、何処まで冷静に客観的に事例を鑑みて調べられるのかと、テーマの大きさに改めて担当者一同、言葉が出てきませんでした。そして、どうしたら一人でも多くの方に解り易く伝えられるか、今、現在に至るこの瞬間まで、担当者一同、手探り状態で取り組み続けています。

 急速に発達・発展するインターネット社会・SNS内コミュニケーションにより、大人の目に触れない場所で、複雑な要素・背景・状況・条件・感情・タイミングが絡み合い、一概に一方向から見る事が出来ない事例にたくさん行き当たりました。とにかく真摯に受け止め、向き合い続ける数ヶ月を過ごす中で、確かに被害を受けているのに犯罪として認定されなかったり、何度も辛い告白を強要される状況に立たされたり、勇気を振り絞って被害を訴えている本人に非がある様に言われたり…どう考えても理不尽な事例もいくつも目にしました。勇気を振り絞って助けを求めても、母親含む家族や親族から全否定される切なさは、想像するだけでもこころが痛みました。
 また、家族内・親族内・親子間・兄弟間での事例の多さにも驚きました。加害者側の、余りにも想像力に乏しい自分本意な動機。加害者含む世間の犯罪としての認識の甘さ。
 それには、家庭内や学校での正しい性教育・性知識の乏しさ、日本の性に関する全体の情報内容の脆弱さも大きく影を落としている気がします。子どもたちが学齢期に巻き込まれたら、男女問わず一生深い傷を負い、立ち直り回復するには、若さに溢れる大切な学生時代を膨大に費やさなくてはならなくなる…。
 そんな難しさ、危うさ、理不尽さを、いま一度、ひとりでも多くの方に考える時間を取っていただけたらうれしいです。
 この活動の中でたった一つ、最初から最後まで一貫して変わらない認識は、事例に該当する経験をされた方は絶対に悪くないと言う事。守られて当然、唯一無二の大切な存在だと言う事。それを改めて確認出来たことは、私たち担当者一同にとって、大きな成果となりました。今回、このように学ぶ機会をいただき、感謝いたします。

課題について情報提供 テーマ⑤「インクルーシブ教育」

テーマ担当分科会員より

 分科会「人権教育」に関わって3年目を終えました。答えの出ない問題に苦しくなることはありますが、参加されている皆さんが問題に真摯に向き合う姿に刺激をいただいています。今年は改めてインクルーシブ教育についてのまとめを作成し、勉強し直すことができました。このような機会をいただきありがとうございました。

 私がPTA活動を始めたきっかけがインクルとLGBTで、特にインクルについては個人的に強い思い入れがある事柄でした。金子みすゞさんの「みんなちがって、みんないい」のように、社会的な少数派といった感覚がない学校や生活があれば、いろいろな悩みや壁がなくなるのにな、なんて大きなことを考えて活動した1年でありました。
 分科会はパシフィコ横浜のみとなってしまいましたが、時間と環境が許せば「神奈川全域の学校」で出張分科会を行い、多数の保護者や生徒や先生と話し合って様々な見識を共有したかったです。コロナとか台風とか、どうにもならないことに翻弄された長いようで短い1年でしたがお世話になりました。

課題について情報提供 テーマ⑥「LGBT」

テーマ担当分科会員より

 この度、「LGBT」と「性犯罪」を担当させて頂きました。最初は正直、半信半疑で始めたものの徐々にいろいろな発見や疑問が見つかり、いつしか「やりがい」が生まれてきました。その矢先、この様な事態を迎えてしまい全体会での発表が出来なくなってしまったことを非常に残念に思います。ただ、みんなで議論しながら、一つの物を作り上げる事の素晴らしさ・楽しさを感じる事が出来た期間だったと思います。
 この様な機会を与えて頂き、ありがとうございました。また皆様、本当にお疲れさまでした。

 分科会活動が始まって3年目、3年間人権教育の担当をさせていただきましたが、人が生きるための権利という当たり前のことが当たり前でない社会をこの分科会活動を通して目の当たりにし、人とどう向き合うべきか大変勉強になった3年間でした。特に性的マイノリティの問題については、当事者のお話を聞きくことができ大変ためになりました。
 また、私が感じるに、この平成から令和への変化の今、性的マイノリティに対する社会的な見方が大きく変わったのも実感できました。一方で、差別だけでなく、トランスジェンダーなどは一つの病気としてとらえなければいけない側面もあり、まだまだ社会全体が越えなければならない壁は大きいとも感じたここ数年間でした。
 この活動をきっかけにかけがえのない仲間にも出会え、人間としても多少は成長できたのかと感じ、あらためてPTAをきっかけとした生涯学習の大切さを学ぶことが出来ました。
 令和元年度は、3つの大きな台風の襲来や、新型コロナウイルスの感染拡大など日本のみならず世界的にも歴史に残る1年であり、そうした中物足りないもののこうして会員のみなさまに情報提供をすることができ大変良かったと感じています。
 世界中の人たちが幸せに、安心して暮らせる世の中を願って今年度の活動の締めとしたいと思います。ありがとうございました。